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滋慶醫療科學大學大學院の學位記授與式?。保逼谏t療の安全向上への貢獻を誓いました
2023.03.22
醫療安全をマネジメントする能力を身に付け、キャリアアップをめざす滋慶醫療科學大學大學院の「2022年度 學位授與式」が3月11日(土)、大阪市淀川區のホテル 大阪ガーデンパレスで行われました。醫療安全管理學の修士を取得した修了生は、看護師、薬剤師、臨床工學技士などの職種の18人。それぞれの職場で、醫療の安全向上に貢獻していくことを誓いました。
同大學院は學校法人 大阪滋慶學園が運営しており、2011年に國內で唯一「醫療の質と安全」を探究する大學院、滋慶醫療科學大學院大學として誕生。2年前、滋慶醫療科學大學の発足に伴い同大學院に名稱が変更になりました。今年の修了生は大學院大學からの11期生で、改編して最初の修了生となります。
「醫療科學は醫療の道理 學び続けてください」 千原國宏學長
千原國宏學長は告示で、色付いたり花を咲かせたり、四季折々変化する樹木に対し、常に緑色を保っている常緑樹を引き合いに「不変」ということについて語りました?!赶膜蚊褪瞍沃肖扦舛未笛─沃肖扦?、針葉を天に向けている松が私は好きです。時代や流行に流されない、確固とした自分を持った存在のように感じられるのです」と述べました。松は一見変わらないように見えて、実は常に葉が生え変わっていて、変化をすることで不変の姿を保っているといいます。
「科學の世界では伝統を正しく継承していくことが重要な意味を持っていますが、変わらない正しい部分というのは、機織りでいう縦糸に例えることができます。それに『時代』という橫糸を通し、『今』という布が編まれていくのです。私は松の姿を見るとき、縦糸と橫糸の関係を見出すのです」と千原學長。
そして「醫療科學とは醫療の道理である」として、盡きない好奇心と諦めない執念をもって誠実に実踐すること、學び続けるよう求めました?!搁v連學會や本學主催の研究會などに今後も積極的に參加し、自己研鑽につとめ、同窓生どうし、互いに切磋琢磨して生涯の友を得てください。明快な問題設定、正確なデータ収集?整理?分析、新たな知識の可視化など、研究の中で醸成された課題探究力は、醫療安全のチームリーダーとして合理的な課題設定や解決策を提示するうえで、必ず役に立つと考えます」と激勵しました。
この後、修了生一人ひとりに千原學長から醫療安全管理學修士の學位記が授與されました。
「醫療安全のスペシャリストとしてのリーダーに」 浮舟邦彥理事長
滋慶學園グループの浮舟総長は、同大學院を運営する學校法人 大阪滋慶學園理事長として祝辭を述べました??醋o師や薬剤師、臨床工學技士など、修了生の多くがコロナウイルス感染癥拡大の最前線である醫療関連の職場で働いていることに觸れ、「本來の仕事と家庭の両立のうえに、ご自分の勉強?研究を続けることは本當に大変だったと思います。それをこなして今日を迎えた皆さんに敬意を表したいと思います」と言ってねぎらいました。
浮舟理事長は、日本が超高齢社會になるのに伴い醫療のシステム?制度が変化し、多職種連攜や地域包括ケアシステムの整備が進んでいることや、醫療事故がなくならない現狀、社會的には働き方改革が求められていることについて言及し、「リスクマネジメントがますます重要になってきている中で、皆さんに対する期待は非常に大きくなっています」と語りました。
修了生たちに「大學院で學んだことをベースに、多くの學會や研究會、セミナーに參加して學びを継続し、知のネットワークを築いて頂きたいと思います」と求め、患者の目線に立ちジャンルを超えて醫療安全管理學の研究?マネジメントができる、専門性を備えたスペシャリストとしてのリーダーになるよう期待されていると強調しました。最後に「學んできたことをしっかりと現場で活かして、患者さんにつくして頂くことを祈念します」とメッセージを贈りました。
「醫療のプロデュースで安全の擔保を」 大阪大學醫學研究科長 熊ノ郷先生
來賓の大阪大學大學院醫學系研究科長?醫學部長の熊ノ郷淳先生は祝辭の中で、がんゲノム醫療やがん免疫療法など飛躍的な勢いで進歩している醫學の現狀について説明されました。
「これからは患者が自分の遺伝子情報を、例えばUSBチップの形で持ちながら、受診するような時代が訪れようとしています。どういう遺伝子に異常があったかが検査され、異常に応じた投薬治療ができるようになってきました。また免疫の力でがんを抑えるがん免疫療法の普及で、皆さんもこのこの治療を受けている患者と必然的に向き合う機會が増えてくると言われています」
コロナ禍の中で新しいタイプのメッセンジャーRNAワクチンが開発され、その対応に追われたことや、ロボット手術の普及についても言及し、醫療が次々と変わっていく中で、安全を確保することが重要な課題だと強調されました。
「皆さんへの期待もますます大きくなってきます。醫療の現場でリーダーとして指導的な役割を果たしながらも、是非學び続けてください。また學んだことを杓子定規にとらえないで下さい。たとえばコロナ禍のように、今まで自分たちがやってきた仕事とはまったく違うことも要求されます。それに対して柔軟に対応し安全を保っていくこと、醫療をプロデュースしていくことが求められるのです」と話されました。
大阪大學大學院醫學研究科と滋慶醫療科學大學とは繋がりが強いことにも觸れ、「共に醫療をプロデュースして醫療の安全を擔保していきましょう」と呼びかけられました。
「多くの課題をのりこえた経験は確かな自信」 修了生代表の謝辭
この日の授與式には、大阪府醫師會の會長や日本看護協會の會長、関西の主な病院長、社會福祉法人の理事長をはじめ、アメリカ、中國、臺灣の大學などから多數の祝電が屆いており、その一部が披露されました。
最後に、薬剤師として働きながら醫療安全管理學の學位を取得した日比麻有さんが、修了生を代表して謝辭を述べました。コロナ禍での大學院生活を振り返り、「本來の業務を優先せざるを得ないことが多く、體系的な學びと研究は容易なことではありませんでしたが、恵まれた學習環境の中、新たな知識を得る充実感、期待感に背中を押される毎日でした。そんな中、仲間と共に多様なアイデアを出し合い、多くの課題をのりこえた経験は、現場に戻り多職種の醫療安全を推進していく私たちにとって確かな自信となりました」と語りました。
研究論文について「先生方のご指導の下、自らの臨床理論にこだわり、真摯な態度で研究の糧を積み重ねることの重要性と、その成果を論文として表現する手法を學びました。論文が完成したときの達成感はこの先、私たちの心の糧となるに違いありません」と語り、「本學で得た多くの知識?経験を最大限に現場で活用し、醫療?介護の安全向上に貢獻していく所存です」と誓いました。